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駆け出しの翻訳屋といいながら早数年。 学習したことをちょこちょこ書くつもりでしたが、最近は余暇の話が多いような。。。 そもそも、いつまで駆け出しなんだ?!
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まず、「幻夏」を読んでみました。

著者の太田愛氏は、ドラマ「相棒」の脚本家としても有名と紹介されていたので、逆に読むかどうかためらってしまいました。というのは、以前ドラマのノベライズという本を読んで、「これ、小説じゃなくて脚本じゃん!」と思ったことがあるのです。なんというか、会話がメインになっていて、描写が非常にうすっぺらくて、、たとえば「相棒」の小説版を読んだとき、ドラマに出てくる右京を思い浮かべれば、小説の中の右京の考えや様子も思い描けるのですが、文字を追っただけでは、人物像や情景があまりにも希薄だったのです。そんな経験があったので、脚本家が書いた小説という点にちょっと不安を感じたのです。

しかし、そんな不安は見事に裏切られました!とても面白かったです。
変な先入観を持ったことを反省しました。^^;
(そういえば、お気に入りの作家の一人である湊かなえ氏も脚本からスタートしたのでした)

「幻夏」は遠い少年時代の記憶と、現在進行形の事件とが交錯するミステリーです。
刑事の相馬と、その仲間(といっても刑事ではない)の鑓水、修司のトリオが、生き生きと描かれていて、とにかく話の展開が気になって一気に読みました。相馬が思い出す少年時代のエピソードもノスタルックでとても暖かい、、、それだけに結末は哀しいものでもあるのですが、なんとなく救いもある、とても後味のよいミステリーです。

あまりに面白かったので、引き続き「犯罪者」も読みました。

実は「犯罪者」は「幻夏」より先に出版されており、相馬、鑓水、修司が出てくるシリーズの第一弾です。時系列的にもこちらが先の話です。
(それは「幻夏」を読む前からわかっていたのですが、あらすじを読んだとき「幻夏」のほうが気になってしまったので、逆順に読んでしまいました。^^;)
ですが、話自体は独立しているので、どちらを先に読んでも、問題はありません。

「犯罪者」もなかなか話の展開が読めず、しかもスピーディーに進んでいくので、上下巻を一気に読んでしまいました。こちらも同様に面白かったです。

ただ面白いだけでなく、「幻夏」は冤罪、「犯罪者」は企業のコンプライアンスと政治家との癒着など、社会的なテーマを扱っていて、考えさせられる部分も多かったです。

なかなか伝えきれませんが、とにかく良質のミステリー(←広い意味でのミステリー)でした。

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友人に勧められ、「出版禁止」を読んでみました。

後で知ったことですが、この本は叙述トリックで話題になり、読み終わったあとも謎解きが必要になるので、ネット上にもネタバレサイトが複数存在するとか。。。

個人的な趣味としては、やはりミステリーは小説の中ですべての謎解きをしてほしい、と思います。凄惨な殺人事件であっても、最後にすっきり謎が解けることで爽快感を味わい、気持ち良く本を閉じることができる、と思うのですが。。。
そういう意味で、この本は叙述トリックは面白いけれど、読後感は今ひとつでした。(もちろん、本人の解読力の問題という話も。。。)

最後の「あとがき」で、おおよその謎は解説され、仮名のアナグラムはネット上にネタバレがあるので、だいたいのことは分かるのですが、若橋がなぜそのような行動をとったのか、というところは結局すっきりしませんでした。

ついつい、いつまでも考えてしまうので、とりあえずわかったことを整理して、次の本に進もうと思います。^^;

というわけで、分かったことを以下に整理します(下の「続きはこちら」をクリック)。


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電子書籍を利用しているという話は、ずいぶん前に書いた気がするのですが、最近特によく利用しています。

電子書籍って紙の本より安いことが多いのですよね。しかも、貯めたポイントを利用できたり、割引クーポンがあったりで、利用すれば利用するほど、さらに利用するようになるという、、、まぁ、思うツボにはまっている、とも言えます。^^;

ですが、電子書籍って実体がないせいか、読んだ本が印象に残りにくい気がします。
☆4つ以上付けたくなるような本なら(って私の基準ですが)、電子書籍でもしっかりタイトルを覚えていますが、☆3つくらいの「普通に面白かった本」って、「この本買ったっけ?」てな感じで、どうも印象が薄くなりがちです。
やっぱり実体って必要なのかなぁと思う今日この頃。。。


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先日「猫には推理がよく似合う」を読んでから、深木章子氏の作品を3作読みました。
「鬼畜の家」
「衣更月家の一族」
「螺旋の底」

どれも面白かった!!というか、私の好きなタイプのミステリですね。
「猫には・・・」はのどかな雰囲気が漂っていましたが、「鬼畜の家」はちょっとおぞましい事件、そして、「螺旋の底」では舞台がヨーロッパに移りますが、どれもミステリ小説を読む醍醐味があります。ミスリードがうまい!...やられたっ!感がたまらないですね。

まだ残り3作が出ているようなので、引き続き読んでみたいと思います!

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年末年始に読もうと思って、数冊まとめ買いしたうちの一つが、「猫には推理がよく似合う」でした。

ただ、読もうとしたときには、すでに何故この本を選んだのかを全く忘れてしまい(^^;)、なんかアンテナに引っかかったんだろうな・・・と思いながら、敢えてもう一度書評やあらすじを確認することもなく、読み始めました。

最初、短いミステリー(の出だし?)が提示されるのですが、それとは全く関係のない話が始まり、どうつながるのかなぁと思っていると、言葉をしゃべる猫と主人公の二人(?)がミステリー談義を始めます。最初に提示されたプチ・ミステリーから、二人の周囲の人間を登場人物にしたミステリー小説まで、誰が犯人かという議論が繰り広げられます。このあたりの推理合戦(?)がなかなか面白いのですが、これはもしかしてメタミステリーなのか?!と思っていると、突然本当に事件が起き、さらに意外な展開が起きる、という話。。。って、なるべくネタばれしないように書くと、ほとんど伝わらない気がしますが(^^;)、とにかく面白かったです。

というわけで、しばらく深木 章子氏の小説を、デビュー作から読んでいこうと思っています。

#でも、明朝から仕事だ。。。

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明風
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自己紹介:
技術屋から翻訳屋に転身しようと、退職。
とりあえず、安定して翻訳の仕事を貰えるようになりましたが、まだまだ駆け出しです。胸をはって「翻訳家です」と言えるまで、日夜修行中(?)の身です。
趣味は音楽鑑賞と城めぐり。月平均 1 回以上のライブと登城がエネルギー源です!
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