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駆け出しの翻訳屋といいながら早数年。 学習したことをちょこちょこ書くつもりでしたが、最近は余暇の話が多いような。。。 そもそも、いつまで駆け出しなんだ?!
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「凍りのくじら」を再読しました。

通常、気に入った作家さんの本はまとめて一気に読むことが多いのですが、辻村深月さんの本はすごく気に入ったものとそうでもないものに極端に分かれるので、これまでまとめ読みしていませんでした。
ですが、ふとしたきっかけで、やっぱり順番に読んでみようかなという気になり、なるべく年代順に読んでみました(まだ途中)。

「凍りのくじら」は、実は読んだ記憶がありませんでした。^^;
なのにブクログで検索したら、登録しているじゃないですか!
「読んだ?!」と思って、読書メモを開いてみたら、、、
「以前に読んだことを忘れて、また読んでしまった。読み出したら、すぐに気づいたけど、展開が思い出せず、はまった。途中で何度も泣いてしまった。いや、良かった。」
と書いてました!!!
な、な、なんと、一度読んだのに忘れて、また読んで感動したのに、また忘れてたってことですよ!!大丈夫なのか、私の頭?!
しかも評価は☆4つ。私の中では最大の評価。そんなに気に入ったのに 2 度も読んだことを忘れてる。。。

うーむ。。。とりあえず目次を開くと、すべての章のタイトルがドラえもんの道具の名前。(ええ?ドラえもんの道具が出てくる話?やっぱ覚えてないなぁ)
プロローグを読むと、氷詰めになった鯨の話。(これは覚えている。でも、これとドラえもんがどう関わるの?)
ぱっと見、あまり気に入りそうな感じではない。でも☆4でしょ。読んでみるしかない。。。
で、読んでみました。

主人公の理帆子は、まわりを見下しながら自分の場所がないと感じている。ホントの自分を隠してうわべだけの友達付き合いをしているが、ふとしたことで出会った別所にだけはホントの自分をさらけ出すことができる。一方で、元恋人ともうわべだけの付き合いをずるずると続けているうちに、だんだんとやばいことになってきて・・・というストーリー(めっちゃアバウト)。
理帆子は、友達とも、母親とも、元恋人とも、距離を置いて上から目線で見ているようでいて、実は違う、ホントの心は違うってことを自分で知ることになる、、のかなぁ。

読んでみて、読んだのに覚えていない理由がなんとなくわかりました。
まずタイトル。鯨の話は印象的ですが、ストーリーの一番のキーってわけではない。キーワードは「鯨」ではなく「光」。鯨の話も光に関係するのだろうけど、「凍りのくじら」から「光」はすぐに連想できない。
そしてドラえもんの道具。ドラえもんの道具は、父親との思い出であり、別所との話のキーになる部分。この話はどれも面白いのだけれど、ストーリー展開とは直接関係ないので(ストーリーにとって重要ではあるんだけど、展開とは関係がない)、この章タイトルから展開は思い出せない。
ということで、一番印象に残った理帆子の心の動きや、理帆子を守った光の話がタイトルや章立てから連想しにくいので、タイトルを見ても読んだことを思い出せない(と本人は納得しました^^;)。

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久しぶりに本を処分しました。
いつもは本棚からあふれている本がなくなることを目指して100冊ほど処分するのですが、今回は本棚の中の本も大幅に見直して200冊ほど処分しました。かなりすっきり。

本棚の中にはお気に入りの本を入れるエリアがあって、そこは長い間見直したことがなかったのですが、今回そのエリアも見直したことで、ちょっとした「発見」もありました。
特に本を二重に並べている部分の奥に隠れている本。隠れてはいますがお気に入りの大事な本のはず。。。
あ、、、あぁ、そうだ。こんな本があった!^^;
昔は心のより所みたいな大事な本だった(思い出したときには既に過去形)。
今はもう、このあたりの本はいいかな。。。
まさか本の処分で人生を振り返るとは思いませんでした。^_^;

そういえば、少し前に「銀河鉄道の夜」を読みたいと思って、「以前に買ったような、、、」と思いながら本棚に見当たらず、電子書籍で買ったのですが、今回文庫本が出てきました。まぁ、電子書籍があるからいいか、ということでこれも処分。

さらに電子書籍で買った「父からの手紙」も、読みながら「こんな設定、前に読んだことがあるなぁ」と思いつつ、思い出せないまま最後まで読んだのですが、本棚の奥から文庫本が出てきました。^^;

こういうことが無いようにと思って、数年前からアプリで本を管理しているのですが、さすがにそれ以前に買った本まで遡って登録する気にはなれなかったもので、仕方ないですね。。。
しかし、読み終わっても思い出せないって、どんな記憶力なんだ?!

ま、そんなこんなで200冊ほど処分しましたが、買い取り価格が付いたのは約半分。明らかに状態が悪いものは入れてないのですが、やっぱり傷や焼けがあったのかなぁ。まぁ、半分でも再利用してもらえればいいとしましょう。

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なぜ、今「青い鳥」?...という話から書かねばなりません。^^;

子どもの頃(たぶん小学校3年生くらいのとき)、「青い鳥」の話が大好きで、子ども向けの文庫本で何度も読み返していました。中でも好きだったのが、これから生まれてくる子どもたちの世界の話です。わざわざ栞をはさんで、そこだけ読み返したくらいです。たしか青い世界で、子どもたちはみな、何かを持って生まれてくるのです。僕は○○を発明する、私は○○を発見する、と子どもたちが言うのですが、特に印象に残ったのは、「病気を持っていく」という子どもがいたことでした。ほかの子どもたちが明るい未来を持って行くのに対し、「病気を持っていく」というのも有りなんだ!というのがとても印象的だったのです。

その後、大人になってから(大学生だったか、高校生だったかもしれません)、この話を思い出しました。そして、あの「病気を持っていく」という話は何だったんだろう、と気になりました。その頃には、子ども向けの文庫本は処分されていたので、新潮文庫か何かの「青い鳥」を買って読み直しました。
...ですが、読み返した感想は、「ん?」でした。^^;
「病気を持っていく」という子どもは出てくるのですが、記憶にあるのと何かが違う。。大した意味を持たせているわけではなく、さらっと過ぎていく感じなのです。
釈然としないまま、「子ども向けの本で読んだから、ちょっと中身が違うのかな」などと考えて、そのまま放置しました。

それから○十年が経ち、先日なぜか突然、この話を思い出しました。
それで、もう一回読もうという気になったのです。

前回の経験があるので、子どものときに読んだのと同じ本を読もうと思いました。
たしか岩波の子ども向けの文庫本、と思って調べてみたところ、どうやら岩波少年文庫のようです。装丁は変わっていますが、今も「青い鳥」があります。
しかし、ここで、岩波少年文庫の中に「新訳」と書かれているものがあることに気づきました。そうです!もう何十年も経っているので、当然、装丁だけでなく訳者も変わっているものがあるのです。同じ本を読みたいという思いがあるので、装丁はともかく、訳者は同じであってほしい、と思いました。

現在発行されている「青い鳥」の訳者は末松氷海子氏です。
Wikipedia で調べたところ、末松氷海子訳の「青い鳥」は1979年に集英社から発刊され、その後、岩波少年文庫に収録されたようです。岩波少年文庫になったのが1979年としても、年代的にたぶん私が読んだものではありません。^^;

うーむ、当時の訳者をどう調べたらいいだろうと思っていたところ、「岩波少年文庫の装丁の歴史」という記事(子どもの本とおもちゃ:有限会社 百町森さんのサイト)を見つけました。ここでは岩波少年文庫を第1期~第6期と称して整理していますが、私の読んだ本は間違いなく第3期です!一冊ずつ箱に入っていて、タイトルごとに表紙と背表紙の色が異なり、本棚に並べたときの色の配置がとてもきれいだったことを覚えています。

そこで、岩波少年文庫第3期の「青い鳥」を探しました。ネットで中古本を探したところ、「青い鳥 岩波少年文庫 19」というのがありました。発行が1973年!ぎりぎり第3期だし、たぶんこれで間違いなし!というわけで、これを購入しました。訳者は若月紫蘭です。
改めて読み返してみると、単なるファンタジー小説ではありませんね。人間は動物や植物にひどい仕打ちをしているのではないか、幸せというものを勘違いしているのではないか、本当の喜びはもっといろいろなところにあるのではないか、などなど、考えさせられる部分があります。

さて、問題の「これから生まれてくる子どもたちの世界」は、「未来の国」という章でした(戯曲なので正確には第五幕)。
読んでいくと、「そうそう、そういう話だった」と思うのですが、、、あれ?「そういう話」というのは、子どもの頃に読んだ記憶か、大人になってから読んだ記憶か、そもそも元の疑問が曖昧になってしまいました(おいおい!^^;)

「病気を三つもっていくんだ」という子どもがいて、チルチルが「それからなにするの?」と聞くと、子どもは「それから?・・・死んでしまうのさ」と答え、「それじゃ生まれたってつまんないな」というチルチルに対し、子どもは「そうきまっているんだもの、しかたないさ」と答えるのです。なんとも虚しく話は終わってしまいます。

うーん、何だったんだろう。。。
しばらく頭を整理してみたところ、、、子どもの頃の私は、「病気を持っていく」というのを、「新しい病気を持っていく」と思っていたようです。「しょうこう熱と、百日ぜきと、はしかと・・・」って、ちゃんと書いてあるのですが、なぜか新しい病気を持っていくと思っていました。ほかの子どもたちが発明とか発見とか、新しいことを持って行くので、新しい病気だと思ったのでしょうか(はしか等が発見されるより前の時代の話と思っていたとか)。
なので、「新しい病気を持っていく」という役目の子どもがいることに何か意味を感じて記憶に残ったように思います。
大人になって読み返したとき、「あれ? 新しい病気じゃなかった」ということに、まず違和感を覚え、さらに「病気を持っていくこと」が単に「しかたのないこと」として描かれていることに落胆した、ということのようです。
子どもの頃の記憶が長年の間に変形してしまい、勝手に意味を持たせていただけかもしれません。。。

というわけで、なんとも竜頭蛇尾な結論でしたが、改めて「青い鳥」を読む機会となったのは良かったと思います。児童文学を侮るなかれ、ですね。堀口大学訳も読んでみたくなりました。

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以前にブログに書いたかなぁと思ってたのですが、書いてないようです。

「ペンギン鉄道なくしもの係」は、3年ほど前、たしか東京駅の本屋で見つけました。
ペンギンと鉄道が好きなのでタイトルに惹かれました。表紙にかわいいペンギンのイラストもあったので、ファンタジー小説か?と思ったのですが、帯に「ペンギンは仕事をしません!」と書いてあったので、どうやら車掌がペンギンとかいう話ではなさそうだと思って買いました。

内容は連作短編集のようになっています。
ペンギンは何をするわけでもありませんが不思議な存在感があります。そしてペンギンの世話をする駅のなくしもの係の青年が、ほんわかとした、でも的確な対応で訪れる人の心を癒していきます。

最初は、ほのぼのとした話が続くだけかと思ったら、次第に「謎」が明らかになっていきます。
ちょっとライトノベルにありがちな安易な展開の話もあるけれど、最後まで読むと、スッキリするし、泣けます。
全体的に流れる空気がとても好きな作品です。

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まず、「幻夏」を読んでみました。

著者の太田愛氏は、ドラマ「相棒」の脚本家としても有名と紹介されていたので、逆に読むかどうかためらってしまいました。というのは、以前ドラマのノベライズという本を読んで、「これ、小説じゃなくて脚本じゃん!」と思ったことがあるのです。なんというか、会話がメインになっていて、描写が非常にうすっぺらくて、、たとえば「相棒」の小説版を読んだとき、ドラマに出てくる右京を思い浮かべれば、小説の中の右京の考えや様子も思い描けるのですが、文字を追っただけでは、人物像や情景があまりにも希薄だったのです。そんな経験があったので、脚本家が書いた小説という点にちょっと不安を感じたのです。

しかし、そんな不安は見事に裏切られました!とても面白かったです。
変な先入観を持ったことを反省しました。^^;
(そういえば、お気に入りの作家の一人である湊かなえ氏も脚本からスタートしたのでした)

「幻夏」は遠い少年時代の記憶と、現在進行形の事件とが交錯するミステリーです。
刑事の相馬と、その仲間(といっても刑事ではない)の鑓水、修司のトリオが、生き生きと描かれていて、とにかく話の展開が気になって一気に読みました。相馬が思い出す少年時代のエピソードもノスタルックでとても暖かい、、、それだけに結末は哀しいものでもあるのですが、なんとなく救いもある、とても後味のよいミステリーです。

あまりに面白かったので、引き続き「犯罪者」も読みました。

実は「犯罪者」は「幻夏」より先に出版されており、相馬、鑓水、修司が出てくるシリーズの第一弾です。時系列的にもこちらが先の話です。
(それは「幻夏」を読む前からわかっていたのですが、あらすじを読んだとき「幻夏」のほうが気になってしまったので、逆順に読んでしまいました。^^;)
ですが、話自体は独立しているので、どちらを先に読んでも、問題はありません。

「犯罪者」もなかなか話の展開が読めず、しかもスピーディーに進んでいくので、上下巻を一気に読んでしまいました。こちらも同様に面白かったです。

ただ面白いだけでなく、「幻夏」は冤罪、「犯罪者」は企業のコンプライアンスと政治家との癒着など、社会的なテーマを扱っていて、考えさせられる部分も多かったです。

なかなか伝えきれませんが、とにかく良質のミステリー(←広い意味でのミステリー)でした。

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自己紹介:
技術屋から翻訳屋に転身しようと、退職。
とりあえず、安定して翻訳の仕事を貰えるようになりましたが、まだまだ駆け出しです。胸をはって「翻訳家です」と言えるまで、日夜修行中(?)の身です。
趣味は音楽鑑賞と城めぐり。月平均 1 回以上のライブと登城がエネルギー源です!
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