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駆け出しの翻訳屋といいながら早数年。 学習したことをちょこちょこ書くつもりでしたが、最近は余暇の話が多いような。。。 そもそも、いつまで駆け出しなんだ?!
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何かでお勧めされた「存在のすべてを」を読みました!

出だしは息が詰まるような二児連続誘拐事件。子ども2人のうち1人は行方不明となり、何故か3年後に戻ってくる。それから30年ほどの時が過ぎ、定年間近の記者がその謎を追ううち、誘拐犯は冷酷な人間ではなく愛情に満ちた人物らしいとわかってくる。そこで後半、視点は「誘拐犯」側に移る。
何がどう繋がるのかと一気に読みました。
ただ最後の終わり方がちょっとモヤモヤ。
でも、それ以上に内容に感動しました。

ラストのモヤモヤについてはネタバレになるので、[つづきはこちら…」に書きます。


ラストで記者の門田は布団乾燥機を見て「なぜ、あれがここにあるのか」と気づきますが、ここを読んだとき、布団乾燥機もそうだけど、それ以前になぜあの家族写真の絵がここにあるのかと思ってしまいました。
読み返してみると、中学生になった亮がはじめて「六花」を訪れたとき、「どこにいるか分からんのや」と告げる朔之介と亮の前にこの未完成の大作が掲げられていました。
ラストを読んだとき、この部分を思い出せなかったので、貴彦がきっと大事に描いていたであろう家族写真の絵が、いつどうやって亮の手に渡ったのか悩んでしまいました(まぁ、これは私の読み込みの浅さが問題なのですが)。
ここをちゃんと覚えていれば、朔之介から亮に渡されたことは明白なのですが、しかし、貴彦はいつこの絵を朔之介に渡したのでしょう。
考えられるのは、貴彦が自首すると決めた日に絵を朔之介に送ったという線。自首すれば絵を描くこともできなくなるので朔之介に預けたか。あるいは、実際にはその翌日に行方をくらますので、置き去りにされた絵を優美が朔之介に渡したのか。
このあたりをモヤモヤと考えてしまったので、布団乾燥機のほうは今ひとつ響いてきませんでした。絵と違って布団乾燥機は朔之介が預かる理由もないので、確かにだれが持ち込んだのか疑問(というか貴彦か優美に違いない)となるのですが。

さらにモヤモヤなのは、朔之介が優美に気づかないのはおかしいという点。朔之介は貴彦と優美に親身になって相談に乗っていたのですよ。写真だけで優美を知っている門田が気づいて朔之介が気づかないはずはありません。朔之介はお手伝いさんがお茶を入れるのを手伝ったりもしているのです。
つまり朔之介は優美がお手伝いとなっていることを知りながら門田には言わなかった。あえて言わずに門田が気づくかどうかに任せたということでしょうか。
酒井と朔之介の「一縷の望み」が門田の記事によって呼びかけることであるなら、優美と亮が今一緒にいることを貴彦に伝えたほうがいいような気もするのですが。

もう一つモヤモヤなのは、元同級生の里穂と、事件を追う門田をなぜ同じ日に同じ場所で亮に会わせるのか、です。全然必然性がない。たまたま同じになったということでもないはず。少なくとも里穂のほうは急に日時を指定されて行ったはず。私が亮なら、来てもらってもいいけど別の日にしてって言いそうだけど。
読み返してみたら、亮が「お二人に見せたい絵がある」と言っているので、亮自身が二人同時に来ることを望んでいたのかも。まぁ、人との交流を避けている亮なので、会うなら二人同時のほうが制作の邪魔にならなくていいということなのでしょうか。
そもそも里穂とは会いたければいつでも会えるはずだし、繋がりを持ちたければ連絡先を伝えておけばよかった話で、里穂が想うほどに亮は里穂のことを想っていなかったってことですかね。ちょっと哀しいですね。ま、二人の関係は本筋でないので良いのですが。。。

以上、「ラストでモヤモヤ」を吐き出してスッキリのコーナーでした(^^;)。

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自己紹介:
技術屋から翻訳屋に転身しようと、退職。
とりあえず、安定して翻訳の仕事を貰えるようになりましたが、まだまだ駆け出しです。胸をはって「翻訳家です」と言えるまで、日夜修行中(?)の身です。
趣味は音楽鑑賞と城めぐり。月平均 1 回以上のライブと登城がエネルギー源です!
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