というのは、QA checker のないツールを使う場合は秀丸マクロで検索するのが便利なのですが、ファイル数が少ないときや、秀丸で直接訳文を上書きする場合ならともかく、小さいファイルが多数ある場合などは、1 つずつファイルを開くこと自体が面倒です。
そこで、grep 検索を使って、フォルダごと一括検索しようというわけです。(ま、これもプロの翻訳家なら、とっくにやっていることでしょうけれど。^^;)
たとえば、全角と半角の間には半角スペースを入れるというルールがある場合、このルールに反している個所を検索するのに、以前は次のようなマクロを使っていました。(なお、下記のコードで、「\」は本来、半角の「¥」ですが、ここでは「\」と表示されてしまいます。)
-------------------- ここから --------------------
//スペース以外の半角から全角への変化
searchdialog "[\\x21--\\xff][^\\x01-\\xff]", nocasesense, regular, hilight, masktag, loop;
if( result == 0 ) {
message "該当するものがありません";
} else {
question "次に進みますか?";
if( result == no ) {
endmacro;
}
}
// 全角からスペース以外の半角への変化
searchdialog "[^\\x01-\\xff][\\x21-\\xff]", nocasesense, regular, hilight, masktag, loop;
if( result == 0 ) {
message "該当するものがありません";
}
-------------------- ここまで --------------------
検索式を「 | 」でつないで、半角から全角への変化と、全角から半角への変化を一気に検索してもいいのですが、実際には上の検索式は完璧でななく(さらにいうと、ほんとはさまざまな例外も含めるため検索式ももうちょっと複雑)、目視チェックは欠かせないので、あえて別々に検索しています。
これをフォルダごとの一括検索に変更するため、grep を使って次のようなコードにしました。
-------------------- ここから --------------------
// スペース以外の半角から全角への変化
grepdialog2 "[\\x21-\xff][^\\x01-\\xff]", "*.xml", ".", nocasesense, regular, hilight, masktag;
// 全角からスペース以外の半角への変化
localgrep "[^\\x01-\\xff][\\x21-\\xff]", nocasesense, regular, hilight, masktag;
-------------------- ここまで --------------------
このマクロは現在のフォルダで .xml ファイルを対象に検索を行います。最初のコマンドで検索ウィンドウが出るので、必要であれば、フォルダやオプションを変更して実行します。2 つ目のコマンドは、1 つめと同じ条件で(検索ウィンドウを出すことなく)実行します。
ファイル数が 100 とかになると、やっぱり一括検索が楽です。

Trados 2011は、見た目は SDLX で、一部 Tag Editor の UI が残っている感じです。固定要素のコピーは、Ctl + , キーでプルダウンメニューが出るなど、使いやすくなっているようにも見えますが、実際使ってみると、このプルダウンメニューが慣れないせいか、使いにくいです。タグペアで扱えるようになっているのが却ってわかりにくいというか、複数のタグペアがあるときなど、ときどきこのプルダウンメニューが訳の分からない表示をします。
QA Checker は、どこでどのような設定ができるのかが、Tag Editor よりわかりやすくなったように思います。ただ、気をつけなければいけないのが、QA Checker の設定メニューの開き方です。
[プロジェクト]-[プロジェクトの設定] でメニューを開き、[QA Checker] を選択して、設定すればよいのですが、最初、[ツール] メニューから、[オプション] を選択し、[検証] の中の [QA Checker] を設定したところ、プロジェクトには反映されませんでした。

[プロジェクトの設定] から設定すると現在のプロジェクトに対する設定になり、
[ツール]-[オプション] から設定すると全プロジェクトに共通の設定になる
ということのようですが、全プロジェクトと言っても、既存のプロジェクトには反映されないのかもしれません。(たしかに既存のプロジェクトの設定が、共通のプロジェクトの設定で上書きされたら困る場合がありますものね。)
というわけで多少、焦りましたが、Trados 2011 でも QA Checker が使えました。
Tag Editor の QA Checker ではまっていた全角スペースも、[分節の検証] の [禁止文字の設定] に問題なく設定できました。
ちなみに、どちらの QA Checker もプロファイルを保存できますが、互換性はないそうです。

つまり、Tag Editor で設定した正規表現などは、Trados 2011 の QA Checker にインポートすることができず、一つずつコピペする必要があります。

どちらも形式は xml のようですので(拡張子は違いますが)、変換マクロを作れるかもしれませんが、まぁ、Tag Editorでも、そこまでたくさんの項目は設定しないので、マニュアルでコピペすることにします。
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とりあえず、安定して翻訳の仕事を貰えるようになりましたが、まだまだ駆け出しです。胸をはって「翻訳家です」と言えるまで、日夜修行中(?)の身です。
趣味は音楽鑑賞と城めぐり。月平均 1 回以上のライブと登城がエネルギー源です!