忍者ブログ
Admin / Write / Res
駆け出しの翻訳屋といいながら早数年。 学習したことをちょこちょこ書くつもりでしたが、最近は余暇の話が多いような。。。 そもそも、いつまで駆け出しなんだ?!
[563]  [562]  [561]  [560]  [559]  [558]  [557]  [556]  [555]  [554]  [553
まず、「幻夏」を読んでみました。

著者の太田愛氏は、ドラマ「相棒」の脚本家としても有名と紹介されていたので、逆に読むかどうかためらってしまいました。というのは、以前ドラマのノベライズという本を読んで、「これ、小説じゃなくて脚本じゃん!」と思ったことがあるのです。なんというか、会話がメインになっていて、描写が非常にうすっぺらくて、、たとえば「相棒」の小説版を読んだとき、ドラマに出てくる右京を思い浮かべれば、小説の中の右京の考えや様子も思い描けるのですが、文字を追っただけでは、人物像や情景があまりにも希薄だったのです。そんな経験があったので、脚本家が書いた小説という点にちょっと不安を感じたのです。

しかし、そんな不安は見事に裏切られました!とても面白かったです。
変な先入観を持ったことを反省しました。^^;
(そういえば、お気に入りの作家の一人である湊かなえ氏も脚本からスタートしたのでした)

「幻夏」は遠い少年時代の記憶と、現在進行形の事件とが交錯するミステリーです。
刑事の相馬と、その仲間(といっても刑事ではない)の鑓水、修司のトリオが、生き生きと描かれていて、とにかく話の展開が気になって一気に読みました。相馬が思い出す少年時代のエピソードもノスタルックでとても暖かい、、、それだけに結末は哀しいものでもあるのですが、なんとなく救いもある、とても後味のよいミステリーです。

あまりに面白かったので、引き続き「犯罪者」も読みました。

実は「犯罪者」は「幻夏」より先に出版されており、相馬、鑓水、修司が出てくるシリーズの第一弾です。時系列的にもこちらが先の話です。
(それは「幻夏」を読む前からわかっていたのですが、あらすじを読んだとき「幻夏」のほうが気になってしまったので、逆順に読んでしまいました。^^;)
ですが、話自体は独立しているので、どちらを先に読んでも、問題はありません。

「犯罪者」もなかなか話の展開が読めず、しかもスピーディーに進んでいくので、上下巻を一気に読んでしまいました。こちらも同様に面白かったです。

ただ面白いだけでなく、「幻夏」は冤罪、「犯罪者」は企業のコンプライアンスと政治家との癒着など、社会的なテーマを扱っていて、考えさせられる部分も多かったです。

なかなか伝えきれませんが、とにかく良質のミステリー(←広い意味でのミステリー)でした。

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret(管理人のみ表示)
カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 28 29 30
31
最新コメント
[03/24 dab woods]
[02/03 tv.zfilm-hd.biz]
[12/20 situs judi online]
[07/22 明風]
[07/22 明風]
プロフィール
HN:
明風
性別:
非公開
自己紹介:
技術屋から翻訳屋に転身しようと、退職。
とりあえず、安定して翻訳の仕事を貰えるようになりましたが、まだまだ駆け出しです。胸をはって「翻訳家です」と言えるまで、日夜修行中(?)の身です。
趣味は音楽鑑賞と城めぐり。月平均 1 回以上のライブと登城がエネルギー源です!
バーコード
ブログ内検索
P R
フリーエリア
Copyright ©   明風堂ブログ All Rights Reserved.
*Material by Pearl Box  *Photo by Kun  * Template by tsukika
忍者ブログ [PR]